古武術介護の展開01 of 岡田慎一郎の公式サイト shinichiro-okada website



拙著『古武術介護実践編』にもご登場いただいた、脳性まひ当事者であり、小児科医の熊谷晋一郎先生の著書『リハビリの夜』が、見事、新潮ドキュメント賞を受賞されました!

20100829155857489_0002.jpg拙著『古武術介護実践編』では、街介助という観点から、共にさまざまなシチュエーションでの介助を検討させていただきました。

『リハビリの夜』は、熊谷晋一郎先生がご自身で受けたリハビリ体験から、身体を動かすということ、物と身体の関係性といった問題に鋭く切り込んでおり、哲学書、身体論の研究書としてもすごく心動かされる、深い内容の本です。

本書には、養老孟先生が素晴らしい書評を寄せられていますが、その書評でも引用されている、次のような一節があります。

「随意運動を手にするためには、既存の運動イメージに沿うような体の動かし方を練習するしかない、というのは間違いだ。それとは逆に、運動イメージのほうを体に合うようなものに書きかえるというやり方もある。私はこのような自分の経験を通して、規範的な運動イメージを押し付けられ、それを習得し切れなかった一人として、リハビリの現場のみならず、広く社会全体において暗黙のうちに前提とされている『規範的な体の動かし方』というものを、問いなおしていきたいと思っている」

私たちの社会が暗黙の前提としている、規範的な体の動かし方を問い直す、という問題意識は、古武術介護とも通じるものではないか、と考えています。

今回の受賞はもちろんすばらしいことですが、熊谷先生はきっとこれから先、さらなる大きな舞台で活躍される方だと思います。ご一緒にお仕事をさせていただいていることを、いつも誇りに感じております。

皆さんもよろしければ、ご一読ください。
ケアシリーズ「リハビリの夜」.jpg熊谷晋一郎著『リハビリの夜』(医学書院)

それから、こちらはご紹介するのが遅れてしまいましたが、川口有美子著『逝かない身体』です。今年4月に、大宅荘一ノンフィクション賞を受賞した作品です。
逝かない身体(クリックするとアマゾンのページにジャンプします)逝かない身体(クリックするとアマゾンのページにジャンプします)
著者の川口有美子さんによる、ALSのお母さんの介護の記録です。単なる闘病記の範囲に収まらない、「生きるとはどういうことなのか」を考えさせられる作品です。

ここで紹介するのは、実は、この川口有美子さんも、拙著『古武術介護実践編』にご登場いただいているからです。

20100829155857489_0001.jpg『古武術介護実践編』に登場いただいたときの川口さん。このときは、橋本みさおさんとともにご登場いただきました。

その時点では予想もしていなかったことですが、結果的には、大宅荘一ノンフィクション賞、新潮ドキュメント賞という、日本を代表する出版賞の受賞者の方々に、拙著『古武術介護実践編』にご登場いただいた、ということになります。

あらためまして熊谷さん、川口さん、おめでとうございます!

2010.8.30